前述の航空レーザー測量データを解析していると、現在は森林に覆われた斜面にも古い山崩れや土石流の傷あとが無数に残されていることがわかります。その中には、甚大な土砂災害につながる恐れのある大規模な山崩れの痕跡もあります。
しかし、こうした山崩れの多くは記録がなく、いつ、どのようにして起きたのかがわかりません。将来、大規模な山崩れが発生する可能性がどの程度あるか予測するためにも、長期にわたる土砂災害の歴史を繙いていく必要があります。
そこで、樹木の年輪や有機物中の放射性炭素濃度、噴火した年代のわかっている火山灰などを用いて地層の年代を測定し、大規模な山崩れがいつ、どのようにして起きたのかを解明しようとしています。
写真:山崩れによって埋没した樹木の発掘と年輪試料の採取
(釜無川水系・小武川上流部、ドンドコ沢での発掘調査の様子)
写真:採取した年輪試料
(樹齢300年以上のツガ属(Tsuga)個体)
図:年輪セルロース中の酸素同位体比の変動をもとに決定した暦年代
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