愛媛県今治市および西条市で発生した山林火災は鎮火から2か月が経過しました。
現在、私たちの研究室では、今回の火災が山地からの雨水流出や土砂流出などに及ぼす影響を把握するため、現地調査を進めています。
火災跡地で行った現地試験では、火災による被害を受けなかった森林斜面に比べて浸透能(地表面から地中に水が浸み込むはやさ)が著しく低下していることが確認されました。
引き続き調査を行い、火災の影響の程度やその持続期間(火災からの回復に要する期間)を明らかにしていきたいと考えています。


写真1, 2:火災後の表面侵食の様子。
地表面が燃焼して下層植生や落葉層が失われた結果、雨水による侵食がすでに起こっている場所もあるようです。1枚目の写真では土壌が侵食され樹木の根が浮き上がってきています。2枚目の写真では、雨滴侵食によってたくさんの土柱(周囲の土が侵食されて柱状に残った部分のこと)ができているのがわかります。

写真3:火災で全焼した森林。
樹木は枯死し、林床の下層植生や落葉層もすべて焼失しています。
動画1:地表の撥水性を測る現地試験の様子。
水滴侵入時間法(Water drop penetration time test)と呼ばれる方法で撥水性の高さを測っています。火災後は地表付近に疎水性物質が集まり地表が強く水をはじくようになります。
動画2:地表の浸透能を測る現地試験の様子。
今回は、火山地域で降灰後などに行われている簡易的な散水式浸透能試験を火災跡地で行ってみました。発達した森林に覆われた斜面では、じょうろで撒く程度の水はあっという間に地中に浸みこみ、表面流が発生することはありません。火災後の斜面では、こうしたわずかな量の水であっても地中に浸みこむことができなくなっているのがわかります。
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