森林環境制御GEOECOSYSTEM CONTROL AND WATERSHED MANAGEMENT
森林環境制御

野外調査の日々(2023-24年冬期)

四国地方の良いところは冬期も(海抜1000m以下の標高域であれば)雪に閉ざされることなく、山地のフィールドワークができるところです。
この冬も、四国内で大規模斜面崩壊の跡地や土砂移動の活発な山地流域を巡る調査を進めています。
 
 


写真1:宇和島市、鬼が城山系にある権現山の雪輪の滝。
権現山の北斜面は大規模な地すべり地形を呈しており、雪輪の滝はその地すべりによってできたとみられる河川の狭窄部(薬師谷渓谷)にあります。

滝の周辺は岩盤河床になっていますが、これより深いところにすべり面があって岩盤が動いたのでしょうか。

 


写真2:雪輪の滝の上流部に設置されたセル堰堤。
鋼材でできた円筒の中に現地で採取した土砂を詰めた砂防堰堤で、工事で出た残土を利用できることやコンクリート製の堰堤より工期を短縮できることなどの利点があります。このセル堰堤は表面がかご枠になっていて、蛇篭みたいに中詰めした土砂が見えているのが特徴的です。平成24年(2012年)完成とのこと。

 


写真3:権現山山頂より宇和島湾を望む。

 


写真4:隣接する大久保山の西斜面にみられる大規模な地すべり地形。
(わかりにくいと思いますが)写真中央のスギ人工林に覆われた斜面は、地すべりによって形成されたものとみられ、斜面下方が比較的緩やかな傾斜になっています。鬼が城山系には、権現山の地すべりをはじめこうした大規模な地すべり地形が多くみられます。

 


写真5, 6:四国山地砂防事務所の方々に高知県大豊町にある怒田地区、八畝地区の地すべり対策事業を案内していただきました。
写真6は南大王川を挟んで東に位置する怒田地区より八畝地区を撮影したもの。
地すべりでできた緩斜面に農村集落が広がっていますが、よく見ると写真の左側は水田、右側は畑地(茶畑など)になっていて土地利用に違いがあります。この土地利用の境界には、背後の稜線の鞍部(少し標高が低くなっているところ)より清水構造線と呼ばれる断層が延びており、左側には玄武岩(塩基性片岩)が、右側には泥質片岩が分布しています。玄武岩の風化物には粘土鉱物が多く含まれるため、保水性が高く水田耕作に適しているためだそうです。

 


写真7, 8:重信川上流部に昭和中期に設置された砂防堰堤の現在の様子。
写真の蔭地谷第3号堰堤は昭和44年(1979年)に完成したものです。
写真7の手前側に写っているのは副堰堤で、その後ろに堤高28.5m(重信川流域でもっとも高い!)の主堰堤があります。
写真8は堰堤上流側の堆砂域を撮影したものですが、大量の土砂がせき止められているのがわかります。

 


写真9, 10(おまけ):蔭地谷川流域の堆積岩露頭。

posted at 2024.3.10
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