愛媛大学農学部には、キャンパスより車で30分ほどのところに附属演習林があり、演習実習や野外調査を行いやすい環境が整っています。
現在は、学部3年生向けの演習実習の一環で、附属演習林内における山地渓流の水路網の分布や水路の水文地形的特徴に関する調査を進めています。
「川はどこから始まるのか?(※)」という素朴な疑問を出発点に、水路の地形を測ったり、河川水の流量や電気伝導度などの水質を測ったり。
4年生で取り組む卒業論文にむけて、現地をしっかり歩き、野外の状況を自分の目で観察する力を養っています。
※ 川の水路がどこから始まっているのか(川の水路は上流側にどこまで延びているのか)という問いは、D.R.モントゴメリーとW.E.ディートリックが1988年にNature誌で発表した論文 “Where do channels begin?” をはじめ、多くの研究者の関心を惹きつけている研究テーマでもあります。
写真1:源頭部に多くみられる岩盤河床の小滝。
山地渓流を歩いていると、大小さまざまな礫に覆われた礫河床の区間の途中に、岩盤の表面を流水が流れる岩盤河床の区間があらわれます。
ひとつの渓流に足繫く通っていると、こうした河床の状態が土砂移動によって刻々と変化していることを実感できます。
写真2:調査中に発見した古い石積み堰堤。
演習林用地として大学に移管される前(昭和初期以前)に設置されたものでしょうか。
空積みされた石の表面にはコケがびっしりと付着しています。
写真3, 4:現地調査の様子。
写真3はレーザー距離計を用いて水路頭の傾斜を計測しているところ、写真4はポリ袋などを敷いて渓流水を集めて流量を測ろうとしているところです。現地の状況に応じて学生自身が工夫しながら計測を行っています。
動画1(おまけ):流域源頭部にみられる基岩湧水の様子。
山地流域の源頭部(最上流部)を歩いていると、ときおり地表に露出した基岩の亀裂からこんこんと水が湧き出ているのを目にします。
地下深くまで浸み込んだ雨水が岩盤の亀裂をつたって再び地表に湧き出したもので、基岩湧水などと呼ばれます。
雨が降らなくても川の水が涸れないのは、水源域にこうした地下水の湧出点が多くあるためです。
写真5(おまけ):学部2年生向けの実習後に開いたスイカ割り大会の様子。
今年もスイカの美味しい季節がやって来ました、ということで。
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