森林がもつ多面的機能を支えているのが光合成です。光合成による木々の成長量以下に利用量を抑えることができれば地球上の森林は減りませんが、すでに我々人類は産業革命前から世界の森林の面積を半分に、木々の量(木材量、生物量、その中に含まれる炭素の量)を四分の一にまで減らしてしまいました。森林の減少により森林の機能が損なわれ、大きな害を受ける地域が存在したり、温室効果ガスを大量放出したりしています。当研究室では、森林の面積や木々の量の現状や変化の把握のための”計測”が重要であると考え、国内や国外において地上や空から森の計測を行い、計測結果を基に、我々人間が森とどう向き合うかを考えています。
(図は反復の航空レーザー測量による愛媛全県規模の森林計測)
土地の被覆/利用の把握や計画も重要です。土地を用途によって区分けして配置することをゾーニングといいます。ゾーニングは小さな庭から市町、国といった様々な空間規模でなされ、例えば森林については土砂崩れの恐れが高い区域で大面積の伐採を禁止するといった具合です。日本では農地の放棄、さらには森林化が多数生じ、災害や獣害などの問題を引き起こしています。当研究室では問題解決のため、まずは空中写真判別と現地調査による土地区分の地形図・地質図への重ね合わせ(例:下図)、ついで紹介①の計測による森林の有無や木々の量、さらには災害や社会経済等を重ねたデータセットの作成、さらにはデータセットの多時点分析に基づいた土地利用計画、に取り組んでいます。(図は航空写真から判別した農地と放棄農地[松山市中島])
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